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バセドウ病は遺伝しますか?
バセドウ病の発症には、遺伝性の要因があるといわれています。しかし、その頻度は高くありませんので、過度な心配は不要です。バセドウ病の家族歴のある方は、バセドウ病が若い女性に多い疾患で、思春期や妊娠時など、環境変化の大きい時に発症しやすいということは知っておいてください。そういう時に体調不良があれば、早めに医療機関を受診するようにすればよいでしょう。
妊娠の希望があります。バセドウ病治療をしながら妊娠や授乳はできますか?
できます。正常にバセドウ病がコントロールできていれば問題はありません。しかし、メルカゾール内服による奇形の可能性や授乳の制限、妊娠中や出産後の甲状腺機能の変動など問題点があるのも事実です。医師と相談しながら治療することが大切です。
メルカゾールとチウラジールの違いについて教えてください。
メルカゾールの方が、効果が強く、副作用が少ないといわれており、第一選択薬として使われることが多いです。しかし、奇形の発生の可能性が少ないながらあると言われており、また内服量が多い場合は授乳もできません。したがって、妊娠の可能性のある女性の場合は、チウラジールで治療する場合があります。またメルカゾールにて、副作用が出現した場合に、チウラジールに変更することもあります。
バセドウ病の治療中に、生活で注意することはなんですか?
ホルモンが安定するまでは、心身ともに過敏状態にあります。激しい運動や労働を控え、安静に努めましょう。ストレスを避け、暴飲暴食にも注意しましょう。食欲は亢進しており、治療にて甲状腺機能が低下してきても食欲は低下しないため、太ってくることが多いです。治療が開始されたら、体重増加に注意しましょう。また喫煙は、バセドウ病を治りにくくしますし、バセドウ病眼症(突眼や視力異常)の原因になりますので、禁煙しましょう。
橋本病ですが、治療の必要性はないといわれました。どういう状態でしょうか?
甲状腺機能が正常で、腫瘍がないからだと考えられます。頸部の違和感や圧迫感などの自覚症状と、甲状腺にがんや悪性リンパ腫のようなしこりがなく、甲状腺ホルモン分泌が正常であれば心配ありません。甲状腺機能低下症状や頸部の腫れの自覚がなければ、1年に1回程度の経過観察でよいでしょう。
潜在性甲状腺機能低下症について教えてください。
甲状腺ホルモン(FT4)が正常であるが、甲状腺刺激ホルモン(TSH)が上昇している状態。高齢者に多く、自覚症状がないため放置されていることが多いです。高脂血症を発症し、動脈硬化の進行が進むため、心筋梗塞や認知症のリスクが高まるといわれており、TSHが10μU/ml(正常値0.4~5ぐらい)以上であれば、甲状腺ホルモン補充治療が必要です。また少しでもTSHが上昇しており、頸部違和感や倦怠感などの症状があれば、少量の甲状腺ホルモン補充療法をすることがあります。
橋本病で、治療中です。妊娠、出産には、問題はないですか?
まず、甲状腺機能が正常化していることが大切です。機能が正常であれば、不妊の原因にはなりません。妊娠中は、甲状腺機能が低下しやすかったり、胎児の成長に甲状腺ホルモンが必要なため、定期的な検査を受けて、甲状腺機能低下にならないようにしてください。出産後は、一過性に甲状腺機能が悪化することがあるので、注意が必要です。医師と相談しながら治療することが大切です。
不妊治療中です。甲状腺の検査を受けた方がよいですか?
甲状腺機能低下がある場合は、月経異常を起こし不妊になることがあります。甲状腺機能検査を受けましょう。また機能低下はないが、橋本病と診断されることもあります。その場合は、妊娠中に機能低下になる可能性があるので、妊娠前に検査を受けておくことは重要です。
橋本病で、治療中です、ずっと薬を飲まなければいけませんか?
現在機能低下で、チラージンの補充療法を行っていても、甲状腺機能が正常化してくることはあります。しかし、将来どうなるか予測できません。高齢者や甲状腺自己抗体が高値なものや甲状腺腫が目立つものは改善しにくく、出産後の発症は改善しやすいといわれています。薬を休薬したい場合は、定期的に検査を受け、担当医と改善しやすい甲状腺かどうか相談しながら徐々に減量していくという方法があります。
甲状腺疾患患者は、昆布を食べたらだめですか?
甲状腺ホルモンの原料がヨード(ヨウ素)であり、ヨード(ヨウ素)は昆布を中心に海草類に多く含まれます。また、ヨード(ヨウ素)摂取量が多いと甲状腺に悪影響があることは事実です。しかし、日常生活で普通に食べている量では心配ありません。根昆布を健康食品的に大量に摂取したり、イソジン液を大量に使用するようなことをしなければよいでしょう。